◆「赤ちゃんが大好き。妊婦さんが大好き」という吉原香織さんが、「楽RAKU助産所」を開業したのは、昨年の暮れの11月。それから1年間、彼女は4人の赤ちゃんを取り上げたり、子育てをサポートしたり、妊婦さんのケアをしたり、全力投球の日々をおくってきた。
開業の理念は、赤ちゃんにウソをつかない生き方をすること。
「赤ちゃんは、神に一番近い存在です。安産は赤ちゃんが決めるんです。」
「出産の素晴らしい瞬間には、光に包まれたような、すべての言葉も消える喜びがあります。お母さんには自分が生んだ感動、赤ちゃんには自分で生まれてきた感動です」
「赤ちゃんを取り上げたという言葉は、好きではありません。赤ちゃんを受けさせてもらったと思っています」
◆吉原さんは、1996年から5年間、広島赤十字病院産婦人科に助産婦として勤務。そのとき、深刻な悩みにぶっかった。自分で思っていた助産婦の仕事と病院での仕事が、あまりに大きくかけ離れていたためである。
「病院では、出産はたくさんの仕事の一部でした。それに、出産より病気の治療の方が大事という感じだったんです。準備不足の中で取り出されている赤ちゃんは、淋しいと思いました」
「仕事をこなし給料をもらっているだけの生活がつらくなり、心のバランスを崩したんです。そのため、退職を決断、イギリスへ1年行ってきました。まさに日本からの脱出でしたね」
◆イギリスから帰ると、自宅の近くの診療所に助産婦としてしばらく勤務、それから念願の開業を果たした。
吉原さんとのインタビューのあらましはつぎのとおり。
Q 陣痛ってたいへんなんでしょうね。
A 指圧の痛みと同じです。痛いけど気持ちがいいものなのです。赤ちゃんがどんな状態になっているか、わからないとつらいけど、わかると気持ちのいい痛みになります。
周囲から守られているという安堵感や身体にやさしい食べ物などから、お母さんにとっても赤ちゃんにとってもやわらかい産道に変るんです」
Q 今は大半が病院での出産ですね。
A 99%がそうですね。今、生まれてくる赤ちゃんの多くは、エネルギーが弱いように思います。赤ちゃんが生まれるのに不安を持つと、難産になったり流産したりします」
Q 昔は家庭での出産が中心だったのに、どうしてこんなになったんでしょうね。
A 高度成長期の進展とともに、家庭が崩壊したからです。家庭はホテルと同じになり家族がバラバラになりました。そのため、家庭での出産が困難になってきたのです」
Q 妊婦ケアって、どんなことをなさるんですか。
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家族ではありません。
「辻の蔵」地球家族です。 |
A 基本は、お母さんが身体と向き合うこと、それに、夫婦が向き合うことです。
赤ちゃんが生まれるまで、手間をかけることが大切ですね。赤ちゃんのために必要な最大限の情報を出して、そのうちから選んでもらうようにしています。
赤ちゃんとお母さんが主役です。しゃしゃり出ないように、自分を戒めています。そして、妊婦検診の時間は、妊婦さんの時間帯に合わせるようにしています。
Q 子育てサポートは?
A 家族がバラバラなところが多いですね。びっくりするほどです。こんな中だから、お母さんに元気がない。心が病み身体が病んでいるんです。
Q おわりにしめくくりを。
A 赤ちゃんのために一番大切なことは、幸せな家庭を築くことです。それには、助産婦だけの力では限りがあります。他の分野の人との垣根をはずし、一緒に取り組んでいかねばなりません。NPO「辻の蔵」の人たちと、今、ネットワークを組んでいろいろ活動をしています。
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