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「絵本作家」になりたい
戸川幸一郎さん


戸川幸一郎さん

広島芸術専門学校講師
熊野筆の里工房
アクリル画教室講師


〒732-0824
広島市南区的場町1-8-15

研究所/Tel 082-506-3060
専門学校/Tel 082-506-3061
共通/Fax 082-506-3062
URL http://toko-world.com

  http://www.art-hiroshima.com  
戸川幸一郎さん

戸川幸一郎さんの作品


戸川幸一郎さん
◆戸川幸一郎さんは26歳。熊野町に家一軒借りて、アトリエ兼住居にしている。独身というのに、結構、掃除が行き届いていた。
 アトリエはガレージ。試作中の作品や完成品、絵の具などが雑然と置かれていた。


 戸川さんは、2001年、長野県「イルフ日本童画大賞」審査員特別賞を受賞した新進童画作家。個展を開いたり、講師活動をしたりするなど、精力的に活動を展開している。


 彼の絵は、色彩もタッチもソフトでたいへん優しく、親しみが持てた。 
 

「これは本です。手作りなんですよ」と言いながら、『気になる子』と書いてある木の箱を開いた。
「この本は、限定5冊出版です。1冊の単価は63000円もしたんですよ」という説明にびっくり。
 固い厚めの紙1枚づつに絵と文が書かれ、しかも、1枚ごとにセロフアンが挿入されるという、手の込んだ作りになっている。
 絵もよかったが、温かい雰囲気のある文には目を惹かれた。


    てくてく
    てくてく
    てくてくと
    いつも歩く散歩道
    いつものはずのこの道に
    見たこともない女の子


 彼の好きな言葉は「音とリズム」。その意味が理解できるような文だった。



戸川幸一郎さん◆高校のとき、戸川さんの志望は調理師だった。
 両親はあまり賛成でなく、調理師になるのもいいけど大学だけは出てくれと説得した。このような経緯で入った大学で、絵を描く楽しみを知った。
 

 しばらくして、本格的に絵に取り組もうと決意、大学を中退した。それから絵の専門の公立大学に入るため一生懸命に勉強したが、入試の壁は厚く失敗した。
 私立大学への入学は授業料が高く経済的にムリなので大学は断念、専門学校に入学した。


 こんな挫折体験があるのに、彼には、まったくいじけたところがなく、明るくて人懐っこい。
 生まれながらの性格もさることながら、よほど生き方もいいのだろうと思った。
 

 彼は生来の天分のうえに、こんな積極的な生き方もあってか、絵の力も着実に伸び、つぎつぎ賞をもらったり、個展を開いたりしている。


 こんな戸川さんだが、経済的には悩みがつきないようだ。 
「絵で身を立てていく決心をしていますが、経済的にはたいへんですね。材料費がすごくかかるし、画集など資料集めのコストもバカになりません」


「個展を開いても、買ってくれるのは知り合いばかり。先般、1カ月ばかり、まったく収入がなかったときには、さすがに落ち込みましたね」
 そんなときには、両親に助けを求めるのかと聞いたら、意外な返事が返ってきた。
「両親は健在なので、食費くらいはなんとかしてくれるかも知れません。しかし、それをやるとおしまいです。精神的に堕落して、独立心がなくなってしまいます」
 今時の青年にも、こんな人間がいるのかと感心した。


 彼は、もちろん絵も好きだが、それにも負けず児童文学が好きなようだ。
「将来、絵本作家になりたいですね。貧乏は恐れません。好きな道にベストを尽くし、しっかりと生きていくつもりです」
このように話す彼の笑顔は、実に爽やかだった。

肖像画 肖像画 肖像画
戸川さんの描いた肖像画。F4号サイズで5万円

戸川幸一郎さんの略歴戸川幸一郎さん
1976年 広島県呉市に生まれ
1995年 呉市の後藤美術研究所にて絵を始める。
1997年 渡仏 製作活動をする。翌年帰国。
1999年 広島芸術専門学校に入学、銅版画専攻。
2000年 広島県美術大賞入選。
2001年 福井県FUKUI サムホール大賞入選。
青森県「あおもり版画トリエンナーレ大賞」入選。
長野県「イルフ日本童画大賞」 審査員特別賞受賞。
第1回個展「ニィタタ」−大人から子供へ−(3月)
第2回個展「童画」展 −大人から子供へ−(11月)
2002年 広島芸術専門学校卒業
第3回個展「気になる子」絵本展(8月)
2003年 第4回個展「住人の一コマ」作品展(3月)
現在 広島芸術専門学校講師
熊野筆の里工房
アクリル画教室講師

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