子どもに「モノ」つくる感動を伝えたい
亀井由美子さん



亀井由美子さん 亀井由美子さん


造形作家
GROUPサンタラ交流部代表

広島市中区江波西2−8−25
Tel 082-293-6616
Fax 082-293-6616


広島市に「GROUPサンタラ」というユニークで楽しいグループがある。
同グループでは、子どもたちに「モノ」をつくる感動と環境の大切さを教えるため、7年前から公民館や小学校で、ごみ袋(再生紙)で恐竜をつくる工作教室を開いている。その間に教えた子どもの数は、延べ6700人。地域から高い評価を受けている。
このグループの生みの親である造形作家・亀井由美子さん(55歳)を訪ねた。



亀井由美子さん
亀井由美子さん
作品の素材を説明をする
亀井由美子さん


◆亀井さんのお家は、いかにも造形作家らしいたたずまいで、室内には製作中の恐竜があちこちにおいてあった。
 彼女は、明るくて華やかな雰囲気のある人である。まず最初に、サンタラのいわれや、活動のコンセプトなどについて説明してもらった。


「サンタラは、サンショウウオのサンと、ニュージランドのトゥアタラ(昔とかげ)のタラをもらって名づけたものです」


「3歳から7歳の期間は、人格形成に大きな影響を与えますよね。この時期の子どもに、多少とも感動を与えるお手伝いができればと、この活動を始めたのです」


「恐竜づくりは、用具の準備や計画づくりなど10の工程があり、たいへん難しいんです。ほぼ1時間はかかりますね。


 作業には失敗がつきもの。それを乗り越えて完成させると、感動が生まれます。そんなとき、子どもたちの目は、きらきら輝いていますよ」


「人間には誇りが大切です。広島に生まれた誇り、日本に生まれた誇り、地球に生まれた誇り、宇宙に生まれた誇り。これは人間が生きていくうえで、欠かすことのできないことだと思います


◆彼女は広島生まれの広島育ち。22歳のとき結婚し出産した。それからの活動は多彩そのもの。中華料理のウエイトレスになったり、おいしいサンドウイッチをつくろうとアンデルセンに勤めたり、ブティックのお店を経営したり、キャリアウーマンになったり、いろいろな経験をした。


 彼女は、キャリアウーマンになったいきさつを話してくれた。
「42歳のとき、住宅展示場のアルバイトをしたんです。1年過ぎた頃、カスタマー制度に関するレポートを作成し、社長に提案したら認められましてね。それから、9年間、キャリアウーマンとして仕事をしました」
サンタナ工作風景
サンタナ工作風景
サンタラ工作風景



 
普通ならこれで満足するところだが、これで終わらないのが彼女らしいところ。入社して3年目の45歳のとき、もっとやるべきことがあるのではないかと悩んだ。
 そのあげく、思い余って2カ月休暇をとり、原住民アポリジニーと生活を共にするため、オーストラリアに渡った。
  

 当時を振り返り、彼女は語る。
「自分はどうして生まれてきたのか、生まれてきた使命は何だろうかと、毎日考えながら海岸を散歩しました。
 ある日、ふと、モノをつくる喜びを子どもに伝えたいと思ったのです。これが、GROUPサンタラをつくる原点になりました」


◆日本に帰ると、再生紙から恐竜をつくる活動を開始した。恐竜を選んだのは、子どもの興味をひくだろうと思ったこと。それに、恐竜が死滅したと伝えられる環境条件の変化が、現在の地球環境に似ていることである。


 グールプの活動は、思った以上に順調に展開した。
 去年の2月には、広島市国際交流補助事業の一環として、メンバー8人で環境先進国のニュージランドに渡り、延べ120人の子どもたちにサンタラ恐竜の作り方を教えた。また、2都市の人々に、平和を願うヒロシマからの熱いメッセージを伝えた。


◆彼女は、これからの活動についてつぎのように語る。
「工作教室をもっと充実していこうと、サンタラ恐竜づくりの出張講習をしています。一方、活動を広げていくためには、現在のスタッフ11名では足りないので、増やしたいと思っています。
 恐竜作りに関心のある人、スタッフに興味のある人は、ぜひ、ご気軽にご連絡ください」


 それにしても、彼女のエネルギーはたいへんなもの。どこから、こんなエネルギーが生まれるのかと思っていると、
「念ずれば花開くです。これをやりたいという目標を持っていると、必ず誰かが後押ししてくれます。そうして、その思いは必ずかなえられます。誰にも可能性があるのです。このことは、ぜひ伝えてくださいね」と念押しされた。


 彼女が最後に独り言のようにいった「人にエネルギーを与えられる人間になりたい」という言葉が、なぜか印象に残った。そして、彼女の多彩な人生は、これからも続くだろうと思った。

サンタナ作品
サンタラの作品
(戸村彰義・田尻裕)

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