鳥瞰図の制作に第2の人生を生きる
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織田 雅己さん
(おだ まさき)
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織田雅己さんは教員を定年退職した後、現在、鳥瞰図(パノラマ地図)の制作という珍しい仕事に打ち込んでいる。鳥瞰図とはなにか、どんなきっかけがあって始めたのかなどについて伺った。
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中国環境パートナーシップオフィスで
展示会、2005年5月
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中国電化ホールで展示会
2004年8月
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◆織田さんとは、広島市の中心街八丁堀にある中国環境パートナーシップオフィスで出会った。そこでは、彼の鳥瞰図が展示されており、作品を見ながら鳥瞰図について説明してもらった。
「鳥瞰図はパノラマ地図とも言います。一般に見かける地図との違いはつぎのとおりです。
・一般の地図・・・木の年輪のような等高線やいろいろな記号が使われ、正確に作られている。しかし平面的で面白みに欠ける。
・鳥瞰図・・・空を飛ぶ鳥の目で描いた地上の景色。正確さでは今一だが、立体的で人間的な面白さがある」
元教員らしい、丁寧でわかりやすい説明である。続いて自作の特色の説明を加えた。
「昨年、平凡社から発売された『パノラマ地図の世界』をみると、ずいぶんたくさんの人が鳥瞰図を描いています。
皆さんの地図と比較すると、私の地図の特徴は、範囲が広いことと、文字がたくさん入っていることのようです」
「私は、自分が住んでいるところを空から眺めたいということから、おもに広島の山や海を描いています。中国山地は地味な低山が多く、時間がかかる割には仕上がりが鮮やかになりません。それで、気分転換に富士山なんかも描いています」
■彼が鳥瞰図の制作を本格的に始めたのは4年前だが、今では、各書店で常設展示販売をしたり、各地で展示会を開催したりしている。
「最初においてくださったのは中国書店です。広島のパノラマ地図はこれが初めてだといわれ、ずいぶん励みになりました。このほかに、広島ではジュンク堂書店(福屋駅前店)、紀伊国屋書店、フタバ図書、啓文社書店、広文館、東京では池袋ジュンク堂、地図の店ラバン等で取り扱ってもらっています」
「展示会については、中国環境パートナーシップオフィスのほか、広島市中国電化ホール、広島銀行、もみじ銀行五日市駅前支店などで開催しました。6月には皆賀公民館、9月には宇品公民館、続いて10月下旬頃、段原公民館で開催する予定です。なお、県北のもみじのき森林公園やひろしま県民の森(比婆山)のロビーでは、常設展示していただいています」
◆彼は1939年広島生まれの広島育ち。広島大学高校社会科(歴史専攻)を卒業すると、広島県の中学校・高校の教員を歴任した後、60歳で定年定職。2年間の講師生活を経て、鳥瞰図制作のプロの道に入った。

書店で常設展示販売
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まず最初に、鳥瞰図との出会いの経緯を語る。
「25年前、ある地図の雑誌でH.C.ベラン教授(1915から1999)のパノラマ地図を見て、そのダイナミックさに強烈な衝撃を受けました。こんな手法で広島の地図を描きたいと思ったんです。
そこで、その雑誌のなかで、ベランの地図など鳥瞰図の魅力を語っておられた地図制作者の方(辻野民雄さん)に手紙を書きました。そしたら、辻野さんから、鳥瞰図のコピーなどを添えて長文の手紙が送られてきたんです。
すごく嬉しかったですね。辻野先生には、それからもいろいろご指導いただき、心の師と仰いでいます」
それから試行錯誤しながら独学を続けた後、手書きで鳥瞰図を描く道具を開発し、実用新案をとった。
「鳥瞰図は、1つの作品をつくるのに4ヵ月から1年くらいかかるので、教員をやりながら制作するのは、時間的に難しいんです。ですから、本格的に始めたのは退職してからです。それまではオール手書きだったのを、パソコンで清書するようにシステム化もしました」
◆展示会を開いたり、書店で販売できるようになるまでには、いろいろな苦労も多かったようだ。
「最初は、鳥瞰図とはなにか理解してもらえなくて苦労しました。書店に交渉にいっても、あっさり断られ辛い思いをしました。販売なんて、まるっきり経験がなかったものですから・・・」
それでもくじけなかったのは、鳥瞰図の制作へかける思い入れが大きかったからだろう。
「パノラマ作家は、みんな赤字のようです。紙代・インク代、パソコンのハード・ソフトへの投資などを考えると、とても採算があいません。半年かけて作った作品の印刷部数は、1000部くらいが限度です。長くおくと、地名が変更になるので、たくさん印刷できないんです。
それでも鳥瞰図を描くのは、夢があるからです。作るのも楽しいし、見てもらうのも楽しい。自分の主張・世界が描けるのはほんとうに楽しいものですね」
と、彼は穏やかな目を輝かす。
これからのコンセプトは、話題性のある作品だという。
「互いに知らない人たちが、私の地図を見て話し合っているのを見ると、とても嬉しいです。地図にたくさん文字を入れるようにしているのは、話題になるような地図にしたいからです。
鳥瞰図となにかを組み合わせると、面白い展開があるよう思います。新しい可能性を求めるため視点を広げようと、今、いろいろ努力しているところです」
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