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心に残る一節

空気は読まない

鎌田 實著


空気は読まない
 

KYって初めて聞いたとき、
なんのことだかわからなかった。
「空気が読めないヤツ」のことだと教えてもらった。
KYって言われたくなくて、
みんなが、空気にとわわれはじめた。
なんか、おかしい。
空気は読めるが、
空気に流されないことが大切なのではないか。
空気は読めるが、
あえて、空気を読まないときがあってもいい。
空気をかきまわしたほうがいいときもある。
『「空気」の研究』って本があった。
昔、みんなが空気感染して、
なんだかわからないうちに、
ぼくたちの国は戦争をしてしまった。
「空気」を読んでばかりいると、
あの時代のように、
人は、自分の意見や意思を、
見失ってしまうのではないだろうか。


空気は、人に、街に、時代に伝染する。
じわじわと広がり、いつの間にか、
気分を高揚させたり停滞させたりする。
ときには、景気さえ左右し、経済を動かす。
ときには、国を間違った方向に動かす。
ときには、人間の行動や生き方までも、操っていく。
まわりから浮きたくないと、必死で空気を読む。
空気にとらわれる。
結局、小さな生き方から出られない。
気概を忘れていく。
気が抜けていく。
心が鬱々としてくる。

空気に流されるな。
空気をつくり出せ。
空気をよどますな。
空気をかきまわせ。
それが新しい生き方になる。
それが新しい時代をつくり出す。
信じていい。
空気は・・・読まない。 




空気は読まない
鎌田 實著
集英社発行
2010年2月28日発行





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