白杖で歩いている時代
私は盲導犬と出会う前、白杖を頼りに歩いていました。
私は学生時代、徐々に視力はこ低下するものの、見えない自分を受け入れられず見えない自分を受け入れるのが怖くて、また見えない事実を周りの人たちに知られるのが嫌で、白杖を携帯しないで歩いていた頃があったのです。
しかし視力は確実に低下しており、本人は見えているつもりでも実際には見えないでぶっかってしまうことが増えて、白杖を持たずには歩けない状態へと変わっていきました。
今は見えない自分を受け入れ、見えないことが恥ずかしいことだとはまったく考えていませんが、その頃の私には見えない自分を卑下して自分の障害を受容できない時代があったのです。
白杖で歩いていた時代の失敗談は数しれません。
駅前の雑踏を歩いていて誤って高校生らしい女性にぶっつかってしまったことがありました。その高校生は、最初私の目が悪いことに気付かず痛がっていましたが、「何だ、めっかちか」という捨てぜりふを残して立ち去っていきました。
また、歩道にはみ出して置いてあるスーパーの商品に誤ってけつまづき、ひっくりかえしてしまったこともあります。私はすぐにお店の人に謝りましたが、そこは明らかに歩道の上でした。
あるときは、駅の通路に寝ている浮浪者らしき人につまづいて大声で怒られたり、点字ブロックの上を歩いていて、前をいく酔っ払いにぶっつかり殴りかかってこられたりしたこともありました。
一番危険なのは、歩道に止めてある自転車です。ある日、自転車の後ろのかごに子どもを残したまま、母親が店の中で立ち話をしていました。わたしは自転車に気付かず自転車を倒してしまいました。運よく子どもはケガをしなかったのですが、私たち視覚障害者にとって道を歩くことは、まさに障害物レースのようなものです。
点字ブロックの上に物を置いたり自転車を止めたりするとか、歩道に看板や物を置いたりしないようにお願いします。、
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