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満足できる作品を自分のペースで作りたい
 創作人形作家 松浦加代子さん
山本恵由美の明窓園シリーズ第8回



松浦加代子(まつうらかよこ)さん

創作人形作家

広島県三原市在住 



連絡先
郷土人形館  明窓園ギャラリー
Tel 0823-23-4811
e-mail http://www.meisouen.com/
 



⇒松浦加代子さんの作品

山本恵由美さん
郷土人形館
明窓園ギャラリー
プロジェクトマネージャー
明窓園ギャラリーとは→



創作人形作家として、精力的に活躍されている松浦加代子さん宅に伺った。三原市にある松浦さん宅は、いかにも人形館といったたたずまいのお家で、創作人形づくりについて、いろいろな角度からお話しいただいた。



松浦さんのお家

松浦さんの作品

山本
  松浦先生には、明窓園ギャラリーが創作人形展を始めてから、毎回出展いただいています。顔や身体に豊かな表情がある先生の作品は、いつもたいへんな人気を呼んでおります。今日は、創作人形づくりについて、いろいろな角度からお話しいただきたいと思います。まず最初に、創作人形との出会いからお願いします。
 
松浦  私は広島生まれの広島育ちです。27歳になったとき、主人が大阪に転勤しました。ある日、近所の方に誘われて、デパートで開催されている紙粘土人形展を見にいきました。それから紙粘土人形に夢中になり、ずっと独学してきました。第1回創作紙粘土協会全国展に入選したときは、とても励みになりましたね。


山本  並外れた才能がおありなんですね。紙粘土人形にはどんな特色がありますか。


松浦  紙粘土は軽くて材料も手ごろで、その上、繊維が多くこわれにくいので自由な造形ができます。白地の上に着色するのですが、とてもいい色が出ます。そのため全国的に広がっていきました


山本  紙粘土人形は洋風ですね。日本人形を始められたのはいつ頃ですか。


松浦  主人が転勤で広島に帰ったときです。確か30歳代後半だったと思います。友人に誘われて、梅本亨先生の市松人形展を見に行ったのがきっかけになりました。さっそく梅本先生の教室に入り、数年間、日本人形の技法を学びました。一応、自分なりの人形ができるようになったと思ったので、これからは私のオリジナルな作品を作りたいと思い卒業させていただきました。


山本  そのとき、どんなコンセプトをお持ちでしたか。




松浦加代子さんの作品⇒

松浦  和と洋の折衷です。既成概念に囚われない自由な発想で、人形を作ろうと思ったのです。


山本  創作人形は何を作ってもよいといわれますが、やはり基本はあるのでしょうね。


松浦  おっしゃる通りあります。例えば、ボディバランスは非常に大切です。顔は5歳で身体は大人というのは、おかしいですね。創作の原点は、デザイン力、表現力、色彩で、ここからオリジナリティが生まれます。


山本  来月の6日から15日にかけて開催予定の「創作作家大人形展inくれ」に出展をお願いしていますが、来年には東京で個展を開かれると聞いています。先生のお力には、いつもながら敬服しています。


松浦  来年の2月に東京の松屋で個展を開催する予定ですが、展示会の開催を決めた日から苦しみが始まります。準備期間は最低2年間が必要で、その間、満足できる作品を作るのに、たいへんなエネルギーを使います。気がのらないと、作品作りに入れません。
 こうして展示会に出しても、3割くらいの作品は恥ずかしい思いをするんですよ。そうして、それをバネに再び勉強、その繰り返しをしてきました。


山本  創作のイメージは、どんなところから湧いてくるのでしょうか。


松浦  いい生地に出会ったときです。そんなときには、イメージが湧いてきます。生地は新しいものより古いものがいいですね。新しい生地は硬くて扱い難いですが、古い生地はとてもしなやかで雰囲気があります。


山本  先生の人形は年齢層が広いですね。若い女性と年取った女性を比べると、どちらの人形が難しいですか。


松浦  中年の女性は難しいですね。人生の遍歴がありますから。参考までに申し上げると、きれいと可愛いは違うんです。顔の左右が均等な人形はきれいだけど、どこか冷たい。左右の顔にアンバランスがあると可愛らしくなるんです。


山本  それは、生きている人間の場合も同じかも知れません(笑)。最後に将来の夢というか抱負を聞かせてください。


松浦  自分のペースで、楽しみながら人形を作っていきたいと思っています。身近にあるものを対象に、作品を作っていきたいですね。この作品は、孫をモデルにしたんですよ(笑)。夢の世界を表現しているのですから、見られる方も自由な感性でご覧いただきたいと思います。


山本  先生のお宅は、人形館のような雰囲気があります。ギャラリーを作って、地元の人に作品を見ていただいたらいかがでしょうか。


松浦  面白い発想ですね。地元で陶芸・染物・書画などをやっていらっしゃる方々とネットワークを組み、いろいろな活動をするのが夢です。そうなると、そのギャラリーが芸術の発信場所になりますね。


山本  とても楽しい夢ですね。聞いていてワクワクしてきます。1日も早く実現されることを心から祈っています。今日は本当に楽しいひとときを過ごさせていただき、有難うございました。 

松浦加代子さんの略歴
1951 広島県生まれ
1978 独学で紙粘土人形を始める。
1983 第1回創作紙粘土協会全国展入選
1990 梅本亨氏に師事、日本人形を学ぶ。
1998 家庭画報大賞クラフト部門審査員特別賞受賞
2001 銀座松屋にて個展。
2009 銀座松屋にて個展予定。
松浦加代子さんの作品が下記展示会に
出展されます。


「創作作家大人形展inくれ」
期日 6月6日(金)〜15日(日)
場所 郷土人形館 明窓園ギャラリー
広島県呉市
詳細→


2008.5.30/戸村彰義

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