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定年後のライフワーク

トレーのリサイクルに情熱を燃やす
二川清司さん



二川清司(にかわきよし)さん
 
64歳
P&P リサイクル


〒731-4331 
広島県安芸郡坂町小屋浦3丁目22−5
TEL&Fax 082-886-8745

定年後のライフワークとして、食品トレーのリサイクル活動に情熱を燃やしている人がいる。二川清司さんである。その模様を取材した。





⇒トレーリサイクルシステム詳細




イベント現場での二川さん

若いスタッフたち



■二川清司さんは温和な感じの紳士である。彼のスケジュール票を見てビックリした。土日祝日は、すべてトレーのリサイクルで詰まっているのである。
 二川さんは、柔和な笑みを浮かべながら説明した。
「福山市から広島市にいたる市町村のイベントには、できるだけ声をかけ、P&Pり・リパックを使ってもらうようお願いしています。4年前から始めたのですが、り・リパックの評判がよく、最近ではずいぶん利用していただけるようになりました。イベントというと土日祝日なので、休むわけにはいきません。1人ではムリなので、女房を動員したり、製造元のヨコタグリーブ京都工場から応援にきてもらったりしています」


 P&Pり・リパックとはどんなものか訊ねると、次のような説明があった。
1 このトレーは(株)ヨコタ東北が製造している。
2 このトレーにはさまざまな形のものがあるが、どれも内側
  のフイルムが剥がせるようになっている。剥がしたフイル
  ムは可燃ごみとして処分される。(燃やしてもダイオキシン
  などの有害物質は出ない)。
3 本体は三層からなっている。そのうちリサイクルされるの
  は中央の層で、周囲の層は新品が使われる。このため、
  P&Pり・リパック以外のトレーも、ペット、ポリ塩化ビニー
  ルを除きすべてリサイクルの対象となる。


 さらに次のような補足があった。
「例えば納豆を入れたトレーはぬるぬるしていて、洗ってもなかなか落ちませんが、このトレーを使うと、フイルムを剥がせば、ねばねばが完全にとれます。水道水の節約になるし、汚染された水が流れないので下水の浄化にも役立ちます」


「P&Pり・リパック以外のトレーもリサイクルされていますが、洗って乾かすという手間がかかります。しかも油がトレーの内部に染み込んでいくので、材質が落ちていきます。リサイクルの対象となるトレーの種類にも制約があります。このように考えると、り・リパックは現在の厳しい地球環境にたいへん適合したトレーと言えます」


 P&Pり・リパックが各地のイベントで人気があるのは、清潔なことに加えてゴミが目だって少なくなることにあるようだ。

トレーに入った食品を受け取る。

食べる

フィルムを剥がす

フィルムを剥がしたトレーを
容器に入れる。


 「イベントというと、やきそばやウドン、ラーメンなど、食事がともないます。問題はゴミで、大規模なイベントとなると、想像を絶する莫大なゴミが発生しますが、P&Pり・リパックを使うと極端に少なくなります。そのようなことから、福山市のある大規模イベントでは、り・リパックを使わない食品は持ち込み禁止と言っています」


■二川さんは広島生まれの広島で育ち。高校を卒業後、技術者として各社を歩き、44歳のとき、(株)サトウの子会社(株)サトウパックを設立、工場長・社長を務めた。

「この会社の主要業務は豆腐のパック製造で、15年間働きました。(株)ヨコタの横田健二社長と京都工場の斉藤挌社長とは、そのとき以来の知り合いで、4年前事業から撤退したとき、斉藤社長に手伝ってくれといわれました。今ではP&Pり・リパックに完璧にとりつかれています(笑)。
 阪神大震災のとき、トレーにサロンラップを敷いて、焼きそばなどが食べられているのを見て、P&Pり・リパックを思いつかれたそうですが、ほんとうに素晴らしい製品だと思います」


 回収後の仕事の流れはおおむね次のとおりだった。
1 回収されたトレーの中には再生できないものも混じってい
  るので、まず分別作業が行われる。
2 分別が完了すると、回収されたトレーは溶かされ小さな粒
  状のペレットになる。
3 トレーのシートが作られる。
4 いろいろな種類のトレーが製造される。


「この工程のなかの分別作業とペレット製造作業は、身体障害者施設に委ねられています。施設では仕事も少ないということもあって、たいへん喜ばれています。また、山形工場は小学生の修学旅行のコースのなかに入っており、児童の環境教育に貢献しています。2006年には、二酸化炭素の抑制に貢献しているということで、(株)ヨコタ東北は、米国環境保護庁の気候保護賞を受賞しました」と誇らしそう。


■二川さんのトレーリサイクル活動は、テレビでも数回紹介されており軌道に乗ってきているようなので、ビジネスにできるのではと言ったら、
「歳も歳ですので利益を考えるビジネスより、ヨコタ東北からいただいる実費をベースにしたボランティア活動で、り・リパックを広めるのが一番良いと思っています」と答えた。


 これまでの活動を振り返りながら語った。
「最初は、あまり知られていなかったので苦労も多かったですが、周囲の人たちにいろいろと応援していただきました。中でも、瀬戸内海汽船の井藤英晴さんには一方ならぬお世話になり心より感謝しています」
 

 一番嬉しいときはと訊ねると、
「イベントが終わり、たくさんのトレーが回収できたときです。そのときの充足感は言葉に言い尽くせません」


 これからの抱負はと聞くと、
「地道に楽しみながら、各種イベントでリサイクル活動を続け、1人でも多くの方にゴミ問題を考えていただきたいと思っています。家庭のトレーがもっとたくさん回収されるようになるといいですね」と答えた。
 

2007.10.3(戸村彰義)
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