広島の人・広島の情報 
自己啓発のためのエポカわ〜るど
(株)第一ビルサービス
CONTENTS 元気な高齢者
広島のイベント メルマガ登録 トピックス リンク ブログ ホーム


筆文化のレベルアップに全力を尽くす
 書家・水墨画家  王 海濱さん



王 海濱(おうかいひん)さん
WANG HAIBIN
字 伯洋   雅号 海天・虚白庵主

 

書家・水墨画家
〒739-0181
東広島市八本松町原3207番地
Tel 090-8603-8878


⇒王海濱さんの世界
⇒墨水会会員の作品
⇒墨水会吉島教室のひとこま
 
王海濱さんは中国生まれ。1990年来日してから17年間、書道と水墨画の研鑽に努め、書画研修の会「墨韻会」を主宰したり、テレビで「王海濱の漢字のじかん」を放映したりするなど、筆文化のレベルアップに全力を尽くしている。その模様を取材した。

墨韻会吉島教室のひとこま
→墨韻会吉島教室詳細



墨韻会会員の作品の一部
→墨韻会会員の作品詳細
■和気藹々の墨韻会吉島教室


 先般、王海濱先生が主宰している書画研鑽の会「墨韻会吉島教室」に行った。受講生は、高齢者が中心で男性が2人、女性が8人だった。
 王先生の書画に関する造詣の深さは定評があるが、人柄もやさしくて気配りがあり、しかも指導力がすぐれているため、受講生から100%信頼されていた。


 受講生の画のレベルは高い。
 王先生は、「きれいな色が出ている。大丈夫よ。こういったところは、もっとやわらかく」などと、ていねいに個別指導している。
「Yさんはいいなあ。随分、手を入れてもらって・・・・。先生、私の作品も直してくださいよ」と、受講生の1人が王先生に筆を渡したので、満場、大笑いになった。
 一見、部分に手が入っただけのように見えるが、離れて見ると、全体の見栄えが格段に良くなっている。さすがと感心した。


 受講生の1人が言った。
「ここの教室は、筆の使い方の基本をとても大切にしています。先生は、個々人の良さを引き出すのが上手ですね。要するに褒め上手なんです。あえて欲を言うと、もっと叱ってほしいです」
 こんな教室が12もあり、しかも自作も創らねばならない王先生は超多忙だ。墨韻会では、目下、9月末の墨韻会作品展、10月末の中日書画交流展に向けて総力をあげて準備しているとのことだ(下欄参照)。


 王先生が柔和な笑みを浮かべながら言った。
「教室は全部で12あり、会員数は約80人です。水墨画と書を教えています。墨韻会という言葉には、水墨画と書のレベルを限りなく高めていきたいという思いが込められています。教室のモットーは楽しみながら学ぶ。会員の皆さんが上達していくのを見ると、本当に嬉しいですね」


■書画のプロになってからまだ13年


 王さんは中国生まれ。1978年から1990年にかけて、中国吉林省博物館に勤務していたとき、書画の素晴らしさに開眼した。
「幼い時から、書や絵画が好きでした。博物館には何万冊も本がありましたが、どこに何があるかすべて記憶しました。書画の本を見るのが一番楽しかったですね。そんな本の中に、日本の書画もあり、日本に親しみを感じました。そうして日本に留学したいと思ったんです」



王海濱さんの作品
→王海濱さんの作品詳細
  1990年10月、来日した王さんは、まず福岡教育大学の客員研究員となり、1992年から2年間で福岡教育大学大学院美術教育研究科修士課程を修了。
 1994年から10年間、広島県安芸郡熊野町役場・筆の里工房で、国際交流員、学芸員、漢字・水墨画講師を務めた。
 2004年7月退職し独立、墨韻会(書道・水墨画)を立ち上げた。その後、広島市YAMANE文化ギャラリーや呉市そごうギャラリー等で、個展「王海濱書画展」を開催している。


 彼は笑いながら言った。
「書画の経験年数は30年にもなりますが、プロとして歩み始めてからは、まだ13年です。これからですよ」


■筆文化を世界に広めたい!

 
 水墨画に比べると、書は難しいのではと言うと、
「確かに書は難しいですね。絵は形とか奥行きとか周りの関係とかいったことを表現します。書の場合はそれだけでなく、余白を見るんです。絵は自分の好きに書いていいけど、書の場合はそうはいかない。書は厳しい遊びなんですね。
 書には流れが見えます。速く書いたり、ゆっくり書いたり、筆を立てて書いたり寝かせて書いたり、まるで音楽の音符のようなリズムがあります。書の奥深いところです」と、ソフトに説明した。


 2005年3月から1年間、毎週火曜日、広島ホームテレビで放映された「王海濱の漢字のじかん」は、たいへん人気がある番組だった。その人気の秘密を聞くと、
「古代文字は、物を見て、それを素直に表現したものです。ですから難しく考えずに、気楽に見て感じていると次第に解るようになります。すると3500年前の人たちと心が通ずるようになるんです。読めなかった漢字も読めるようになります。こんなことで、1年間続けることができたのかも知れません」と笑った。


 最後にこれからの抱負を聞くと、
「筆文化を深め、レベルアップしたいと思っています。文字は象形文字からスタートし、漢字に発展しました。漢字の素晴らしさは、筆で書いてあることです。例えば象形文字であるエジブト文字は芸術にはなりません。漢字は筆で書かれているので芸術になるのです。筆があるから豊かな表現ができるんです。筆は芸術家の命です。筆文化を持っているのは、日本、中国、朝鮮です。これを世界に広めたいと思っています」と、王さんは目を輝かせながら答えた。



王海濱さんの略歴
1978年〜1990年  中国吉林省博物館芸術部 学芸員 部長
1990年10月〜1992年3月  来日 福岡教育大学 客員研究員
1992年4月〜1994年3月  福岡教育大学大学院 美術教育研究科修士終了
1994年4月〜2004年6月  広島県安芸郡熊野町役場・筆の里工房 国際交流員、学芸員、漢字・水墨画講師
2004年7月〜  退職  熊野町委託書画教室講師   墨韻会(書道・水墨画)発足、主宰 
2005年1月8日〜30日  個展「王海濱書画展」/広島市YAMANE文化ギャラリー
2005年2月1日〜8日  個展「王海濱書画展」/呉市そごうギャラリー


著書・出品など
1 「中国現代金銀記念幣章図録」(歴史人物絵画作品)
                          /中国人民銀行発行出版
2 「中国美術全集」古代書画名作解説/人民美術出版社など
3 「中国博物館叢書・吉林省博物館巻」編纂/講談社・文物出版社
4 「北京故宮博物院文房四宝展」、「西太后展」、「漢字の変遷と歴史展」、
  「連雲港市博物館展」 企画担当・監修・翻訳
5 「遼寧省博物館所蔵墓誌精粋」監修/中教出版
6 NHK(広島)生放送番組で水墨画を実演
7 「王海濱の漢字のじかん」2005年3月〜2006年3月 
  毎週火曜日 広島ホームテレビ


「漢字の時間」
著者 王 海濱    発行 木戸出版
2006年5月11日初版発行   定価 2,700円+税
表紙 右

2007.8.31 
バックナンバー