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山本 そごう広島店で個展開催中という超多忙な中、インタビューをお引き受けくださいましてありがとうございます。 木彫りというと、仏像など、なにか重厚なイメージが浮かびますが、佐々木さんの作品はまったく趣が違いユーモラスな動物たちが中心で、動物たちのほのぼのとした表情を見ていると、いつも心が和みます。 佐々木 人間よりも動物を表現する方が好きなので、どうしても動物を彫ることが多くなっています。 山本 佐々木さんの作品は、とてもいい香りがしますが、何を材料にしていらっしゃるのでしょうか。 佐々木 小さいものをつくるときは桜を使ったり、大きなものをつくるときは廃材を使ったりしていますが、通常はクスの木を使っています。クスの木は匂いが良いし、彫りやすく割れにくいんです。木以外の材料も、いろいろ扱ってきましたが、木の手触りが自分に一番合っているように思っています。 山本 木彫作家として10年以上も活躍されていますが、特に印象に残ったことを一言・・・・。 佐々木 そういえばこんなことがありました。小学生の女の子が、山椒魚の作品を毎日のように触っているんです。よほど気に入ったんでしょうね。1年過ぎたころお母さんと一緒に来て、『お小遣いが貯まった』と言って嬉しそうに買っていきました。3500円の品物でしたが、値段の高いものが売れたときより嬉しかったです。木彫りの仕事をやってきて本当に良かったと思いました。良い作品を創れば、必ずわかってもらえるんだと思いましたね。 山本 とてもいいお話ですね。感動しました。佐々木さんは、小学生を対象に木彫り教室を開いていらっしゃると聞きましたが、・・・・。 佐々木 呉ポートピアパークで、これまで何回か教室を開きましたが、どうしたことか子どもさんよりお母さんの方が夢中になられるんです(笑)。いつも和気藹々の、とてもいい雰囲気でした。皆さん親子で、何かを持って帰られたように思っています。これから先、場所はどこになるかわかりませんが、また教室を開きたいと思っています。 ■木彫りのプロへの道のりと、その後 山本 佐々木さんは、何歳ころから木彫りを始められたんですか。 佐々木 中学のころ、授業で作ったのが最初だと思います。絵画はさっぱりでしたが、なぜか工作がたいへん好きになり、先生にも認められたのでやる気になりました。当時、広島には美術課程を専攻できる高校がなかったので、サッカーの強い高校を選び、高校ではサッカーばかりしていました。大学では木彫りを専攻しようと思い、名古屋美術大学美術学部彫刻科に入りました。名古屋を選んだのは、土地柄が広島市と似ていると思ったからです。
山本 大学3年生のとき、海外へ出られたとか・・・・・。 佐々木 1年1ヵ月、大学を休学し北半球を放浪しました。大学卒業後の見通しが不安になったので、木彫をする仕事を探しに海外に出かけたんですが、あまり自分の思うような仕事が見つかりませんでした。 山本 帰国後はどうされましたか。 佐々木 まず大学に復学し、今度は日本国内をまわって進むべき道を探しました。その中で偶然出会った兵庫県大屋町の『但馬木彫』に、自分がやっていきたいものがあったんです。嬉しかったですね。 『但馬木彫』では、松田一戯さんなど4人の方が創作活動をされていましたが、私もその一員に加えていただき、このころから本格的な作家活動を始めました。皆さんには色の塗り方など、随分、鍛えてもらいました。4人とも作風が違っているため、それぞれ異なった影響を受けましたが、これは、すごく良かったと思っています。 大屋町は炭鉱の町で他国の人の出入りが激しく、アーティストもたくさん入っていました。土地に溶け込むことができたのは、そんな自由な土地柄もあったように思います。 山本 兵庫県には何年いらっしゃいましたか。 佐々木 5年間いました。本当に、価値ある5年間でした。それから広島に帰り、呉市天応大浜に居を構え、主に個人で作家活動をしております。早いもので、それから6年過ぎました。 山本 佐々木さんの精力的な作家活動には、いつもながら敬服しています。このようにたいへんお忙しい中を、私どもの明窓園ギャラリーには2001年から毎年出展してくださっており、さらに今年の12月9日から15日にかけて開催する「全国福の神大集合展」には、干支作品の展示販売をお願いしております。この場を借りてお礼申し上げます。 山本 最後に、今後の作家活動の抱負についてお聞かせ願えませんか。 佐々木 大きな作品、つまり、ひと目で佐々木紀政の作品とわかるようなものを創りたいですね。これは作家共通の目標だと思います。大きいものを創るには、技術・精神・経済といった面で余裕が必要です。そのためには、まず着実に技術を身につけていかねばと思っています。 山本 自分が生きている存在証明みたいなものですね。すごく共感を感じます。今日は本当に勉強になりました。お身体には十分に気をつけられて、ご精進ください。 |
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