| 和・モダンの追求 |
和カフェ「つるや」を経営する
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三宅健太郎さん
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広島市袋町小学校の前に、今年4月にオープンしたばかりの和カフェ「つるや」がある。
オーナーは、呉市では和菓子の老舗として知られる「鶴屋安芸」の3代目社長三宅健太郎さん。開店にあたっては、これまで培ってきた老舗のノウハウを結集、すべて出し尽くしたという。
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■広島市本通りのアンデルセンから2分ばかり入ったところに、「つるや」という古風な看板が掲げられているお店がある。
お店に入ると、ショーケースに和菓子が陳列されているコーナーがあり、その奥に喫茶室があった。従業員は、応対の声がきびきびしており、笑顔もとても明るい。
平日の午後3時過ぎというのに、若い女性や子供連れの家族などで、ほぼ満席。そこには楽しそうな雰囲気があった。
オーナーの三宅健太郎さんは、穏やかで温かいムードの好男子だ。能弁家とはいえないが、とつとつとした語り口には味があり説得力があった。
「2時頃は年配の方が多く、3時頃は若い人が多くなります。若い人と年配の人が一緒にくつろぎ、安心して食事できる飲食店を目標にしています。
座席については、30席は作れるところを18席しか作りませんでした。いやしの空間づくりにこだわったんです」
「店のコンセプトは『和・モダン』で、店の飾り付けやメニューの考案の基本にしています。内装については、こちらのいうことを聞いてくれる業者を選びました。納得できる店をつくりたかったんです」
なるほど、とても落ち着いた空間になっているし、BGMも静かなクラシックが流れている。3時間も話し込むお客がいるというのも、わかるような気がした。
「食材にもこだわっています。お菓子は個性的で良質なものを目指していますし、お茶は静岡・鹿児島・京都から名品を取り寄せています」
隣の子どもづれの席に運ばれてきた宇治金時を見ると、色合いがよく独特の雰囲気があった。私が注文したのは煎茶セット。お菓子はたくさんの中から一点選ぶことができ、煎茶は自分でたてるようになっていた。
「煎茶は3煎目までとれます。1回、2回、3回と味が変わってきます。そのほかのメニューも自信のあるものばかりですが、わらびもちは格別自慢の作品です。奈良県産のわらび粉を使っており、上煎な粉をまとわせています」
■三宅さんは35歳。呉市生まれ呉市育ちだ。
呉市では名の知れた和菓子の老舗「鶴屋安芸」の次男として生まれた。家業を継いだ経緯をつぎのように語る。

煎茶セット 800円
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抹茶かけミルクアイス 600円
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わらびもち 750円
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「鶴屋安芸は、昭和2年、祖父が開業しました。それを継いだ父は、広島店を開設しましたが、今では引退し兄と私が経営しています。私の当初の志望はフアッションでしたが、父からたっての説得があり家業を継ぎました」
彼は大学を卒業すると、お菓子の修業に真剣に取り組んだ。全国から毎年150人くらい集まる日本製菓学校の講習会には欠かさず出席し、東京・京都の有名な菓子店を機会あるごとに見てまわった。
「13年間、お菓子と格闘した結果、おかげでなんとか自信らしいものがついてきました。そうしているうちに、これまでのノウハウを結集した飲食店を経営したいと思うようになったんです」
方針を決めてからの取り組みは、アクティブで迅速だつた。飲食店経営ノウハウの修得、日本茶アドバイザーの資格の取得、メニューの開発、店のデザインの決定など、つぎつぎこなしていった。
今年の4月、念願の和カフェ「つるや」がオープンしてからは、昼までは呉本店、昼からはつるやと多忙な日々をおくっている。
23歳で結婚。女・女・男と3人の子を持つ彼は、つぎのように語る。
「子どもに父親の働く姿を見せたかったのも、つるや開店の1つの理由です。父親が仕事に打ち込む姿を見せるのは、一番の教育だと思いました。4代目が育ってくれるのを楽しみにしています」
彼の好きな言葉は「素直」。このキャラクターから、フレキシブルで感性豊かな発想が生まれてくるのだろう。
将来、世界に和菓子を広めていきたいという彼の心意気に、つるやも鶴屋安芸も、確実に成長していくだろうと思った。
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(戸村彰義)
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